またしてもR100RSです。
R100RSって、ゴリラのようにパワフルな外国人向けにつくられたのでしょうけれど、とても重いところがいくつもあります。その中の一つがフロントブレーキです。自分は根性無しの力なしなので、R100RSは普通に止められません。雨が降って下り坂だと制動距離が伸びる伸びる。スピードは出ていなくても心臓が飛び出そうになる事もしばしばでした。
遥か昔の事ですが、いろいろ調べていたらマスターシリンダーのサイズが1mm刻みに数種類売られていることが判明しました。付いているマスターが15mmなので、12mmに変更してみました。力なしの自分でも普通に止めることができるようになると同時にスポンジーになりました。ブレーキレバーに指二本掛けだと薬指がレバーに挟まれます。ブレーキのラインをメッシュに変えても若干良くなったかなぁという程度。マスターにブリーザーをつけ、ハンドルを外してブリーザーが上になるようにしてエアを抜くようにしたり、キャリパーを外してキャリパーのエアが抜けやすい位置にしてエア抜きしたりしました。けれどスポンジー感は気持ち良くなったかどうかという程度でした。とても精神衛生上宜しくないけれど、取り敢えず思い通りに止まりますし、マスターを小さくしたので仕方ないと諦めました。
自分が20代の頃ってDOT4は競技用で吸湿性が高く3ヶ月毎に交換だったと思います。DOT4を使うようになったのはランタボ(A175A)で山に遊びに行って休憩したときブレーキが赤くなっていました。真っ暗闇の中でとても綺麗。タバコに火を着けたりして一服して出発しようとしたらブレーキがスコスコ。ブレーキが冷えて踏みしろが出たから帰ってくることができましたが。クールダウンしてから休憩すれば良いのに、お馬鹿丸出しとなってしまいました。あの頃はあの頃で一生懸命走っていたのですが、下手糞すぎてブレーキ踏みまくりだったのでしょうね。ついでにブレーキ絡みのバカ話。始めてバイク(YAMAHA GX250SP)のブレーキパッドを交換したときの事。前後交換一緒にしたんでしょうねぇ。それで試し走り。家の前が少し下り坂ですぐに十字路。で、停まろうとしたらスコッ。パニックになって何もできずにゆるゆると十字路を通過してしまいました。よく「そういう時はこうすれば良い、ああすれば良い」って話になりますが、パニックに陥ったら出来ることは限られてしまいます。馬鹿げた事故のニュースを聞いても、自分のパニックに陥って何も出来なかった記憶が鮮明に残っていて、笑えないです。どうやってブレーキに触れずに跨ったのか、エンジンをかけたのか・・・、記憶にありません。何れにしてもブレーキ整備をしたら、とにかくブレーキを数回操作して引きしろを出して下さいませ。
と、思い切り脱線しましたが、こんなブレーキ絡みの怖さがトラウマのようにあるので頻繁に交換する習性となってしまいました。AMSOILのブレーキフルードは輸入できなくなった頃販売開始したので使った事がありません。それで様々のメーカーのフルードを使いました。ブレーキの引きしろやフィーリングは変化ありませんでしたので、フルードの選択基準もドライ沸点・ウェット沸点くらいでした。
KENNOL ブレーキフルードDOT5.1はDOT5.1の規格を満たしているに過ぎないようです。しかし、ル・マン24時間自動車レースなどの耐久レースでも使われているとの事なので試しに発注しました。
KENNOLのブレーキフルードが入荷したので、早速入れ替えたところ、レバーの引きしろが減ってスポンジー感が無くなりました。キャリパー側、マスター側からエアは出てこなかったと思います。知らない間に出たのかもしれませんね。リアも入れ替えたら踏みしろが減りました。
レバーの引きしろ、ペダルの踏みしろは乗車した状態で確認しなければ分からない程度ですが、ブレーキレバー強く引いても指との隙間が3〜5mmの余裕が生まれましたし、リアブレーキもキャブレターに小腿が当たらなくなりました。精神衛生上大変喜ばしい結果となりました。ブレーキのフィーリングも遊び・キャリパーピストンの移動・パットとディスク密着・そこからというのが感じられるようになったと思います。ただ、交換前の感覚でレバーを引くとブレーキの効き始めるポイントが違い、ダイレクトな感じで予想よりブレーキが効いてしまいます。ちょっと慣れが必要でした。リアブレーキはポイントが違っても驚く事はありませんでしたが。
さて、屁理屈屋の自分としては理屈をこねなければ気持ちが悪いです。
液体を圧縮しても体積はブレーキフィーリングに影響するほど小さくならないと思います。ブレーキフルード同士の比較なら尚更ではないでしょうか。注射器で実験したいと思いましたが、ウチにある注射器はガラス製で直径2cmくらいあります。6kgでピストンを押しても2kg/cm2に満たないでしょう。6kgでピストンを押すにしても口が割れてしまうと思います。注射器、高いしねぇ。実車でテストも考えましたが、エア噛みの影響があるので難しいです。って、そもそも実車で大きな違いがあったので、これを書いているのでした。このような現象があるかも知れないという事で保留とします。
もう一つの理屈はエアの混入。昔、修理屋さんで働いていた頃、エアの抜けやすいもの、抜けにくいものがありました。それぞれのブレーキシステムによってエア抜きのしやすさは異なるのでしょう。R100RSは抜けにくい部類とすると、15mmマスターの時はエアが残っていても不具合は感じられなくても12mmにして同じ量の空気が残っていれば、とてもスポンジーになってしまいます。KENNOLのブレーキフルードは「流動性が高くABSに最適」みたいな事が書かれています。流動性の高さからエアが抜けやすいのかも知れません。これが一番信憑性が高いかなぁ。
流動性についても感じることがあります。先にリニアに伝わるような事を書きました。、極端ですがワイヤー式のブレーキで例えると分かり易いかと思います。ウチのスズキ アドレスV100の後ろはワイヤーです。ウチに来てからはメンドーで整備をサボっていたらリアブレーキワイヤーが油切れになってしまいました。ブレーキレバーを離すときグニュ〜〜〜と戻ります。ワイヤーに注油して軽く動くときは、遊びをたぐって、シューが広がってドラムにあたって、そこからブレーキが効きだすというのを感じられます。ワイヤが渋くなってくるとこれらの事が感じられなくなってしまいます。ワイヤーの例えは本当に極端ですが、流動性高さってこんな事かもしれませんね。自分の感覚ですとブレーキのリニアさは流動性のように思いますが、エアが抜けた事によって感じられるものかも知れません。
という訳で
バイクは倍力装置がついていない分、ダイレクトでフルード交換による変化がわかりやすいと思います。自分のバイクだけだと心もとないので、試していただければありがたいです。
ABS付きの二輪や四輪は、ABS機構が付くだけ複雑になります。エアも抜けにくい方向になるかなぁと思ったり。であればエアの抜けやすいフルードは有用だと思います。ABSの作動は超ハイスピードポンピングブレーキのような感じ。流動性の高さは有用でしょう。
倍力装置付きの車(ほとんどがそうですが)では、ダイレクト感が少ないので、違いが分かるかなぁと思ったのですが、やはり違いがあるとのお話を伺いました。
ウチのデリカーゴにもと思ったけれど、荷物を積んでいるかワン公を積んでいるので、常に雪道を走るような感じです。ブレーキフルードを変えてもどうかなぁ・・・と。車は重いし、寒いし・・・でテンションが上がらなかったけれど、もしかしたら何か違いがあるかも知れませんね。正月にでも交換してみようかしらん。
2013年12月22日
KENNOL Brake Fluid DOT5.1
posted by カモちゃん at 12:50| Comment(0)
| KENNOL製品
この記事へのコメント
コメントを書く